【INPEX(1605)】クロス取引コスト試算【12月権利】
INPEX(1605)は、日本最大の石油・天然ガス開発企業で、12月末を権利確定月とする株主優待(オリジナルデザインQUOカード)が個人投資家に注目されています。ただし優待の受け取りには「400株以上」かつ「1年以上の継続保有」という条件があり、しかもこの継続保有は毎年6月末日と12月末日の両方の株主名簿で判定されます。100株を単発でクロス取引しても金銭的な優待は受け取れません。この記事では、条件・コスト・継続保有の戦略を整理します。
この記事の結論
- INPEXの12月株主優待は オリジナルデザインQUOカードだが、受け取りには400株以上+1年以上の継続保有が必要
- 継続保有は毎年6月末日と12月末日の両方の株主名簿に、同一株主番号で400株以上が連続して記載されることで判定される(1年以上=連続3回、2年以上=5回、3年以上=7回)
- 100株のみの保有では金銭的な優待はなし(施設見学会への抽選参加機会のみ)
- 12月だけをクロスしても6月末の基準を満たせず、継続保有はカウントされない。6月末・12月末の両基準日で400株以上を確保する必要がある
- 400株クロス1回あたりの貸株料の目安: 約685円(SBI証券・短期一般信用・5日保有)。継続保有を狙うと年2回(6月・12月)分が必要
- 必要資金(400株): 約1,666,080円(現物買い1,281,600円+信用売り保証金30%・2026-07-02終値ベース)
INPEX(1605)の株主優待内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 1605 |
| 上場市場 | 東証プライム |
| 権利確定月 | 12月末 |
| 最低必要株数 | 100株 |
| 優待内容 | オリジナルデザインQUOカード(400株以上・1年以上保有) |
| 継続保有条件 | あり(毎年6月末・12月末の両基準日で400株以上を同一株主番号で連続記載) |
INPEXの優待は、保有株数と継続保有期間の両方で内容が変わる段階的な仕組みです。100株保有では「直江津LNG基地」等の施設見学会への抽選参加機会のみで、金券としての優待はありません。QUOカードを受け取るには400株以上を1年以上継続して保有する必要があります。全ティアの具体値は以下のとおりです(出典: Yahoo!ファイナンス 株主優待ページ)。
| 保有株数 | 継続保有期間 | 優待内容 | 金額相当 |
|---|---|---|---|
| 100株以上 | ― | 施設見学会への抽選参加機会 | 金額換算なし |
| 400株以上 | 1年以上 | QUOカード | 1,000円 |
| 400株以上 | 2年以上 | QUOカード | 2,000円 |
| 400株以上 | 3年以上 | QUOカード | 3,000円 |
| 800株以上 | 1年以上 | QUOカード | 2,000円 |
| 800株以上 | 2年以上 | QUOカード | 5,000円 |
| 800株以上 | 3年以上 | QUOカード | 8,000円 |
| 800株以上 | 8年時点 | 自社オリジナル記念品(1回限り・詳細は検討中) | ― |
なお、800株を8年間継続保有した場合の自社オリジナル記念品は贈呈が決定されているものの、内容の詳細は公式IRで「現在検討中」とされています。確定した優待ではない点にご留意ください。
QUOカードは全国の書店・コンビニ等で使える汎用性の高い金券で、使いやすさは高い部類です。一方で、金額が本格的に積み上がるのは2年目・3年目以降であり、単年の利回りだけで判断するのは適切ではありません。
クロス取引のコスト試算
証券会社・株価・保有日数を入力すると、貸株料・手数料の合計コストを自動計算できます。権利付最終日・権利落ち日は権利確定日から自動で表示されます。
クロス取引コスト計算
| 証券会社 | |
|---|---|
| 株価(円) | |
| 株数 | |
| 保有日数(日) | |
| 実質コスト | --- |
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一般信用売建(つなぎ売り)に対応した口座が必要です。口座開設・年会費は無料です。
- SBI証券 (短期・無期限対応・在庫最大級・ゼロ革命(手数料0円)) →
- 楽天証券 (短期・無期限対応・ゼロコース(手数料0円)) →
- 松井証券 (無期限一般信用・1日50万円以下手数料0円) →
- マネックス証券 (短期(15営業日)・無期限対応・貸株料1.10%) →
- 三菱UFJ eスマート証券 (無期限一般信用・貸株料1.10%・現物手数料0円) →
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※株価は2026-07-02の終値(3,204円)を使用。株価変動により実際のコストは異なります。
QUOカードを狙う場合は400株が起点になります。2026-07-02終値(3,204円)で400株をクロスした場合の目安は次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現物買い代金(400株) | 約1,281,600円 |
| 必要資金(保証金30%込み) | 約1,666,080円 |
| 貸株料(SBI証券・短期一般信用3.90%・5日) | 約685円 |
| 貸株料(GMOクリック証券・短期3.85%・5日) | 約676円 |
| 貸株料(SMBC日興証券・一般信用1.90%・5日) | 約334円 |
参考までに100株をクロスした場合の貸株料は約171円(SBI・短期5日)ですが、前述のとおり100株では金銭的優待は受け取れません。
配当落調整金については、INPEXは配当を実施しているため別途発生します(2026年12月期の会社予想は1株あたり108円)。信用売り側で配当とほぼ同額が相殺されますが、税の精算タイミングにずれが生じます。最新の配当状況は公式IRでご確認ください。
なお、800株を狙う場合は必要資金が約333万円と大きくなり、資金効率の観点では慎重な判断が必要です。
継続保有特典(1年以上保有)を狙う戦略
INPEXのQUOカードは「1年以上の継続保有」が条件です。公式IRによれば、この判定は毎年6月末日と12月末日の両方の時点で、同一株主番号により普通株式400株以上が株主名簿に連続して記載されているかで行われます。1年以上=連続3回、2年以上=5回、3年以上=7回、8年間=17回の記載が必要です。また「理由の如何にかかわらず株主番号が変更になった場合は、保有の継続とはみなされなくなります」と明記されています。
⚠️ 12月だけのクロスでは継続保有は成立しません
継続保有の判定基準日は6月末と12月末の年2回あり、その両方で400株以上が記録されている必要があります。優待そのものは12月権利分だけですが、6月末に400株の記載がなければ継続はカウントされません。したがって、12月だけをクロスし、6月末は端株1株しか持っていない状態では、6月末の基準を満たせず、QUOカードは受け取れません。
また、クロス取引は権利落ち日に現渡しで全株を決済するため、決済後は保有株数が端株分まで減ります。基準日と基準日の間に株主番号がリセットされると継続が断絶するため、端株または現物を常時保有して株主番号を維持しつつ、6月末・12月末の両基準日で400株以上を確保する必要があります。
戦略A:端株(1株)常時保有 + 6月末・12月末の両基準日に400株クロス
- SBI証券(S株)・楽天証券(かぶミニ)・マネックス証券(ワン株)などで1株を現物購入し、持ち続ける(株主番号の維持が目的)
- 6月末と12月末それぞれの権利付最終日に400株をクロス(現物買い400株+一般信用売り400株)→ 各基準日で合計401株となり400株条件を満たす
- 各権利落ち後に現渡しで400株を決済し、1株は持ち続ける
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1株購入(一時費用) | 約3,204円 |
| 400株クロス 貸株料(5日)/回 | 約685円(SBI短期) |
| 年2回(6月・12月)合計 | 約1,370円 |
12月権利分だけをクロスするのではなく、6月末の非優待基準日にも400株クロスが必要な点に注意してください。端株1株の保有コストは株価そのもの(約3,204円)のみで、資金拘束は最小化できます。ただし端株1株を含めた継続記録カウントの正確な取り扱いは、株式事務代行会社への確認を強く推奨します。
戦略B:現物400株を常時保有
継続保有を安定して満たしたい場合は、400株を現物で保有し続ける方法が最もシンプルです。約128万円が長期間拘束されますが、6月末・12月末の両基準日を自動的に満たせて配当(1株108円予想)も受け取れ、継続保有の安定度は高くなります。資金効率とのバランスで、戦略Aと比較して選ぶとよいでしょう。
戦略比較
| 戦略A(1株+両基準日で400株クロス) | 戦略B(400株現物保有) | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 約3,204円(1株) | 約1,281,600円(400株) |
| クロスコスト/年 | 約1,370円(6月・12月の年2回) | 0円 |
| 資金拘束 | 極小 | 約128万円 |
| 継続保有の安定度 | △〜◎(要確認) | ◎ |
継続カウント中に証券口座を変えると株主番号がリセットされ、継続が無効になります(公式IRに明記)。相続・婚姻・証券会社変更なども株主番号変更の原因になり得るため、常時保有する現物株(端株含む)の口座は固定してください。クロス(信用売り)の口座はどこでも構いません。端株を含む継続記録の可否は、株式事務代行会社への問い合わせで確認できます。
⚠️ 貸株サービスに注意: 常時保有する現物株(端株含む)で証券会社の貸株サービスを有効にしていると、株主名簿の記載状況や株主番号に影響を与える可能性があります。INPEXの公式IRでも、貸株サービスの利用等により株主番号が変更になった場合は継続保有とみなされなくなる旨が示されています。株主番号を維持したい現物株の口座では、貸株サービスをオフにしておくことを推奨します(クロスの信用売り口座は対象外)。この設定を見落とすと、年2回×数年分のクロスコストが継続保有のカウントに結びつかず無駄になる恐れがあります。
端株(1株)を購入できる証券口座
継続保有で株主番号を維持するために、本人名義で端株を購入できる口座が必要です。
- SBI証券(S株) (売買手数料0円・スプレッドなし・本人名義・NISA対応) →
- マネックス証券(ワン株) (買付無料・売却0.55%・本人名義・NISA対応) →
- 楽天証券(かぶミニ®) (寄付取引は売買無料・本人名義・NISA対応) →
- moomoo証券(ひと株) (買付無料・本人名義・NISA対応) →
- 三菱UFJ eスマート証券(プチ株) (売買0.55%(最低55円)・本人名義・NISA対応) →
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注意点・リスク
- 最低取引株数と100株の扱い: QUOカードは400株以上が条件で、100株のクロスでは金銭的優待は得られません。またクロス取引(信用取引)はNISA非対応で、特定口座または一般口座で実行します。
- 逆日歩: 制度信用を使う場合のみ発生します(一般信用なら原則ゼロ)。必ず一般信用の在庫であることを確認してください。
- 配当落調整金: 配当のある銘柄のため、信用売り側で配当とほぼ同額が「配当落調整金」として相殺されます。所得税の還付・精算のタイミングにずれが生じます。
- 約定不成立: 寄り付き前の注文でも、買い・売りの片方しか成立しないケースがあります。400株など複数単元では特に注意が必要です。
- 在庫切れ: 一般信用売りの在庫は日々変動します。人気銘柄は権利付最終日の数営業日前に在庫がなくなる傾向があるため、早めの確保を心がけてください。直近の在庫は各証券会社のサイトでご確認ください。
- 貸株サービス: 継続保有を狙って常時保有する現物株(端株含む)で貸株サービスを有効にしていると、株主名簿の記載状況や株主番号に影響を与える可能性があります。公式IRでも貸株サービス等により株主番号が変更された場合は継続保有とみなされなくなる旨が示されているため、株主番号を維持したい現物株の口座では貸株サービスをオフにしておくことを推奨します。
まとめ
- INPEXの12月優待(QUOカード)は、400株以上+1年以上の継続保有が条件
- 継続保有は6月末・12月末の両基準日で400株以上を同一株主番号で連続して記載される必要があり、12月だけのクロスでは成立しない
- 100株や単発クロスでは金銭的優待は受け取れない。狙う場合は年2回(6月・12月)の400株クロス、または400株の現物保有が前提になる
- 400株クロス1回の貸株料は約685円(SBI短期5日)が目安で、継続保有を狙うと年2回分(約1,370円)が必要。まずは各証券会社の在庫状況と、自分に合う継続保有戦略を確認してみてください
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数値・優待内容・継続保有条件の最新情報は必ず公式IRページでご確認ください。
【出典・参考】
– INPEX 公式IR 株主優待ページ: https://www.inpex.com/ir/shareholder/benefits.html
– INPEX 株主優待(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1605.T/incentive
– INPEX 株価・配当(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1605.T
– 本記事の情報は2026年7月3日時点のものです。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
投資判断は読者自身の責任で行ってください。本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。

