【マブチモーター(6592)】株主優待のクロス取引コスト試算【2026年12月権利】
この記事の結論
- マブチモーター(6592)の株主優待は保有株数・保有期間によって内容が変わる制度で、100〜400株保有の場合は1年以上の継続保有をしていないと優待の対象外になります
- 2025年8月14日開示の「株式分割、定款の一部変更及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」により1株→2株の株式分割が実施され(効力発生日2026年1月1日)、優待基準株数も分割に合わせて変更されています。クロス取引(数日程度の短期保有)で優待を狙う場合、短期保有で優待対象になる最低ラインは800株(優待品2,000円相当または寄付)です。100〜400株では短期保有では優待を受け取れません
- 800株クロスの必要資金の目安: 約1,674,920円(現物買い+信用売り保証金30%・2026/07/10終値1,610.5円ベース。この株価は分割実施後の水準です)
- 在庫の傾向: 東証プライムの主力銘柄で流動性は高いものの、一般信用在庫は証券会社・時期により変動します
- 継続保有条件: あり(100〜400株は1年以上保有が必須。「1年以上」は6月末・12月末の株主名簿に同一株主番号で3回以上連続記録、「3年以上」は7回以上連続記録が条件です)
マブチモーターの株主優待内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 6592 |
| 権利確定月 | 12月末 |
| 最低必要株数 | 100株 |
| 優待の性質 | 保有株数・保有期間に応じた選択式優待(優待品または寄付) |
⚠️ 株式分割(2026年1月実施)で短期クロスの最低ラインが400株→800株に変更
マブチモーターは2025年8月14日に「株式分割、定款の一部変更及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」を開示し、2026年1月1日を効力発生日として普通株式1株を2株に分割しました。あわせて株主優待の基準株数も分割割合に応じて見直されており、継続保有条件のない(1年未満保有でも対象になる)優待の最低ラインは、分割前の「400株以上2,000株未満」から分割後は「800株以上4,000株未満」に変更されています(出典: 2025年8月14日開示「株式分割、定款の一部変更及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」)。
一方、1年以上継続保有した場合の最低ライン「100株以上」は据え置かれています。つまり100株・200株・400株の保有では、1年未満の保有では優待そのものが用意されていません。
クロス取引は権利付最終日をまたいで数日間だけ株式を保有する手法であるため、「1年以上の継続保有」という条件を満たすことができません。つまり、単純に100株をクロスするだけでは、この銘柄の優待は受け取れないという点が最大の注意点です。短期クロスで優待を狙う場合の実質的な最低ラインは800株になります。
保有期間1年未満の優待内容(クロス取引で狙える範囲)
| 保有株数 | 優待内容 | 金額相当 |
|---|---|---|
| 100株以上200株未満 | 対象外 | ― |
| 200株以上400株未満 | 対象外 | ― |
| 400株以上800株未満 | 対象外 | ― |
| 800株以上4,000株未満 | 優待品 または 社会貢献活動への寄付 | 2,000円相当 |
| 4,000株以上 | 優待品 または 社会貢献活動への寄付 | 2,000円相当 |
保有期間1年以上の優待内容(現物での長期保有が前提)
| 保有株数 | 優待内容 | 金額相当 |
|---|---|---|
| 100株以上200株未満 | 優待品 または 寄付 | 500円相当 |
| 200株以上400株未満 | 優待品 または 寄付 | 1,000円相当 |
| 400株以上800株未満 | 優待品 または 寄付 | 2,000円相当 |
| 800株以上4,000株未満 | 優待品 または 寄付 | 4,000円相当 |
| 4,000株以上(1年以上3年未満) | 優待品 または 寄付 | 4,000円相当 |
保有期間3年以上の優待内容
| 保有株数 | 優待内容 | 金額相当 |
|---|---|---|
| 4,000株以上のみ | 優待品 または 寄付 | 8,000円相当 |
継続保有の判定方法: マブチモーターの継続保有条件は、6月30日現在および12月31日現在の株主名簿に同一株主番号で3回以上連続して記録されると「1年以上」、7回以上連続すると「3年以上」とみなされます(出典: 2025年8月14日開示「株式分割、定款の一部変更及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」)。クロス取引は権利日をまたぐたびに一旦0株に戻るため、この連続記録の条件を満たすことができず、継続保有前提のティア(1年以上・3年以上)には到達できません。
マブチモーターは精密小型モーターの世界大手で、自動車向け・民生機器向けモーターを主力とする製造業です。株主優待は金券やカタログギフトのような一律の制度ではなく、保有規模と保有継続年数に応じて段階的に手厚くなる設計になっており、長期保有株主を優遇する姿勢が明確な優待制度といえます。2026年1月の株式分割で基準株数が実質的に2倍(経済的な保有規模は同一)に変更されたことも踏まえると、クロス取引でコストを抑えて優待を取りたい個人投資家にとっては、この「継続保有前提」の設計そのものが最大のハードルになります。
クロス取引コスト試算と実行手順
証券会社・保有日数を入力すると貸株料・手数料の合計コストを自動計算できます。権利付最終日・権利落ち日は権利確定日から自動で表示されます。株式分割後、短期クロスで優待の対象となる最低ラインは800株のため、下記は800株での試算です。
クロス取引コスト計算
| 証券会社 | |
|---|---|
| 株価(円) | |
| 株数 | |
| 保有日数(日) | |
| 実質コスト | --- |
※株価は2026-07-10の終値(1,610.5円)を使用しています。この株価は2026年1月の株式分割実施後の水準です。株価変動により実際のコストは異なります。
800株の必要資金は、株価1,610.5円 × 800株 × 1.3(現物買い+信用売り保証金30%)で計算すると、約1,674,920円が目安になります(2026/07/10終値ベース)。優待金額(2,000円相当)に対してこの資金拘束は非常に大きく、クロス取引単体での利回りは高くありません。マブチモーターの優待クロスは「利回りを狙う」よりも「配当と優待を両取りしたい長期保有株主が、権利日の株価変動リスクだけをヘッジする」用途に向いていると考えられます。
マブチモーターの配当予想は2026年12月期で1株56.00円(Yahoo!ファイナンス2026年7月10日確認時点)です。配当利回りは56.00円 ÷ 1,610.5円 ≈ 3.48%となります。権利確定日に現物買い・信用売りの両方を保有していれば、現物側で配当を受け取り信用売り側で同額の配当落調整金を支払うため、両者は原則相殺され、クロス取引の実質コストには大きな影響を与えません。
なお、マブチモーターのように配当利回りが3%を超える銘柄では、税務処理上の差異に注意が必要です。現物側で受け取る配当金は約20.315%の源泉徴収後に入金される一方、信用売り側で支払う配当落調整金は源泉徴収の対象外で全額を支払う必要があります。この源泉徴収分のタイミングのずれは、確定申告で配当控除や損益通算を行うことで最終的には調整されますが、権利確定時点では一時的にキャッシュフロー上の持ち出し(立て替え)が発生します。配当利回りが高い銘柄ほどこの立て替え額が大きくなるため、資金繰りに余裕を持って臨むことを推奨します。
権利日スケジュール(2026年12月権利)
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 2026年12月28日(月) | 権利付き最終日 |
| 2026年12月29日(火) | 権利落ち日 |
| 2026年12月31日(木) | 権利確定日(記録日) |
権利確定日(記録日)はマブチモーターの決算期末である暦日の12月31日です。なお2026年の大納会(東京証券取引所の年内最終立会日)は12月30日ですが、これは立会日程であり権利確定日(記録日)とは別の概念です。実行前に必ず取引所の公式カレンダーで最新のスケジュールを確認してください。
一般信用在庫の取りやすさ
マブチモーターは東証プライム上場の主力銘柄で、時価総額・流動性ともに大きく、一般信用売りの在庫が極端に枯渇しにくい部類に入ると考えられます。ただし優待自体の魅力度が限定的なため、優待狙いのクロス需要が集中しにくく、在庫の逼迫度合いは年によって差があります。
各証券会社の傾向(一般論)
- SBI証券: 在庫数が最多。早朝(19:00頃の在庫補充後)が狙い目。一般信用貸株料(短期)年率3.9%
- 楽天証券: 在庫補充タイミングが日中。一般信用貸株料(短期)年率3.9%
- 三菱UFJ eスマート証券: 長期信用が使える選択肢。1ヶ月以上前から仕込み可能、貸株料年率1.10%
- SMBC日興証券: ダイレクトコース。一般信用貸株料(売方)年率1.90%・制度信用1.15%
- 松井証券: ボックスレート。一般信用貸株料(無期限)年率2.00%・制度信用1.15%
- GMOクリック証券: サブ口座として在庫を補完する使い方が一般的。一般信用貸株料 短期3.85%・無期限0.80%
※在庫状況は日々変動します。直近の在庫情報は各証券会社のサイトでご確認ください。
クロス取引の実行手順
- 権利付最終日の数営業日前までに、一般信用売りの在庫を確保
- 同じ日に現物買い同数(800株単位)を発注(同時約定を心がける)
- 権利付最終日の引け後、現渡し(買った現物株をそのまま信用売りの返済に充てる決済方法)の準備
- 権利落ち日(または翌営業日)に現渡し決済を実行
クロス取引用の証券口座を開設する
一般信用売建(つなぎ売り)に対応した口座が必要です。口座開設・年会費は無料です。
- SBI証券 (短期・無期限対応・在庫最大級・ゼロ革命(手数料0円)) →
- 楽天証券 (短期・無期限対応・ゼロコース(手数料0円)) →
- 松井証券 (無期限一般信用・1日50万円以下手数料0円) →
- マネックス証券 (短期(15営業日)・無期限対応・貸株料1.10%) →
- 三菱UFJ eスマート証券 (無期限一般信用・貸株料1.10%・現物手数料0円) →
- GMOクリック証券 (短期3.85%・無期限0.80%・手数料0円) →
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注意点・リスク
- 1年未満保有では100〜400株は優待対象外: 上述の通り、株式分割後はクロス取引単体では最低800株を確保しないと優待が受け取れません
- 逆日歩(ぎゃくひぶ): 制度信用を使う場合のみ発生する品貸料(売り注文が買い注文を超えた場合に発生する追加コスト)。一般信用なら原則ゼロですが、例外的に発生する銘柄もあるため必ず一般信用であることを確認してください
- 配当落調整金: 配当のある銘柄は、配当金と同額が信用売り側で「配当落調整金」として相殺されます。所得税の還付タイミングのずれに注意してください
- 約定不成立: 寄り付き前注文でも、買い・売りの片方しか成立しないケースがあります
- NISA口座は使えない: クロス取引(信用取引)はNISA非対応です。特定口座または一般口座で実行してください
継続保有特典(1年以上・3年以上)を狙う戦略
マブチモーターは「同一株主番号で3回以上連続記録=1年以上」「7回以上連続記録=3年以上」という継続保有条件を満たすと、800株以上4,000株未満の区分では優待額が2,000円相当→4,000円相当に倍増します(4,000株以上の区分ではさらに3年以上で8,000円相当)。この継続保有特典を狙う場合の戦略を解説します。
⚠️ 純粋なクロスのみでは継続記録が積み上がりません
クロス取引は権利落ち日に現渡しで全株を決済するため、保有株数が一旦ゼロになります。ゼロになる期間があると、6月30日・12月31日の株主名簿の同一株主番号での連続記録が途切れ、継続保有のカウントが進みません。
継続保有特典を狙うには、基準日(6月末・12月末)の間も株を保有し続けて株主番号を維持する必要があります。なお本記事の優待自体は12月31日基準の年1回ですが、継続回数の判定には6月30日時点の名簿も使われるため、年2回分の記録が必要になる点に注意してください。
戦略A:端株(1株)常時保有 + 権利付最終日に800株クロス
- SBI証券(S株)・楽天証券(かぶミニ)などで1株を現物購入・持ち続ける(株主番号の維持が目的。1株保有していれば6月末・12月末どちらの名簿にも「記録」されるため、継続回数がそのまま積み上がっていきます)
- 権利付最終日:800株をクロス(現物買い800株+一般信用売り800株)→ 合計801株(800株以上4,000株未満の優待条件を満たす)
- 権利落ち後:現渡しで800株を決済。1株は持ち続ける
- 3回以上連続記録(=1年以上)を達成した年からは、同じ800株クロスのままで優待額が2,000円相当→4,000円相当にアップグレードされます
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1株購入(一時費用・2026/07/10終値ベース) | 約1,611円 |
| 800株クロス 貸株料(5日)/回(SBI証券短期・年率3.90%) | 約688円 |
| 優待額(1年未満/1年以上) | 2,000円相当/4,000円相当 |
⚠️ 端株(1株)での継続記録カウント可否は、公式の条件文言が「同一株主番号で記録(株数不問)」となっているため有効と考えられますが、実施前に株式事務代行会社への確認を推奨します。
戦略B:現物100株常時保有 + 権利付最終日に700株クロス
- 100株を現物購入・持ち続ける(株主番号維持に加えて配当も受け取れる)
- 権利付最終日:700株をクロス(現物買い700株+一般信用売り700株)→ 合計800株
- 権利落ち後:現渡しで700株を決済。100株は持ち続ける
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 100株購入(継続保有・資金拘束、2026/07/10終値ベース) | 約161,050円 |
| 700株クロス 貸株料(5日)/回(SBI証券短期・年率3.90%) | 約602円 |
| 優待額(1年未満/1年以上) | 2,000円相当/4,000円相当 |
100株の継続保有により配当(会社予想1株56.00円、年間約5,600円相当)も受け取れますが、約161,050円が長期間拘束されます。
戦略比較
| 戦略A(1株+800株クロス) | 戦略B(100株現物+700株クロス) | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 約1,611円(1株) | 約161,050円(100株) |
| クロスコスト/回 | 約688円 | 約602円 |
| 資金拘束 | 極小 | 約161,050円 |
| 継続保有の見込み | △〜◎(要確認) | ◎ |
参考: 資金拘束を最小化するなら戦略A。配当も同時に受け取りたいなら戦略B(ただし約161,050円の継続保有資金が必要)。なお、いずれの戦略でも1年未満の間は800株クロスで2,000円相当までしか受け取れず、100〜700株では継続保有の有無にかかわらず優待自体が発生しない(対象外)点に注意してください。
共通の注意事項
- 継続カウント中に証券口座を変えると株主番号がリセットされる可能性があります。端株・現物株の保有口座は固定してください。
- クロス(信用売り)はどの証券会社でも構いませんが、常時保有する現物株の口座は変えないでください。
- 端株・少数株での継続記録カウント可否は、マブチモーターの株式事務代行会社への確認を推奨します。
端株(1株)を購入できる証券口座
継続保有で株主番号を維持するために、本人名義で端株を購入できる口座が必要です。
- SBI証券(S株) (売買手数料0円・スプレッドなし・本人名義・NISA対応) →
- マネックス証券(ワン株) (買付無料・売却0.55%・本人名義・NISA対応) →
- 楽天証券(かぶミニ®) (寄付取引は売買無料・本人名義・NISA対応) →
- moomoo証券(ひと株) (買付無料・本人名義・NISA対応) →
- 三菱UFJ eスマート証券(プチ株) (売買0.55%(最低55円)・本人名義・NISA対応) →
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まとめ
- マブチモーター(6592)は保有株数と保有期間で優待内容が段階的に変わる制度で、2026年1月の株式分割(1→2)に伴い、単純な短期クロスでは100〜400株では優待を受け取れなくなりました
- 短期クロスで優待を狙う場合の実質的な最低ラインは分割後800株(2,000円相当の優待品または寄付)です
- 100株保有で優待(500円相当)を得たいなら、クロス取引ではなく1年以上(6月末・12月末の株主名簿に同一株主番号で3回以上連続記録)の現物継続保有が必要です
- 興味があれば、まずはSBI証券・楽天証券・三菱UFJ eスマート証券・GMOクリック証券の在庫状況をチェックしてみてください
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【出典・参考】
– マブチモーター公式サイト 株主優待制度ページ(分割前基準・分割後の変更予定を案内): https://www.mabuchi-motor.co.jp/investor/stock/benefit.html
– マブチモーター適時開示「株式分割、定款の一部変更及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」(2025年8月14日): https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250814/20250813541112.pdf
– Yahoo!ファイナンス マブチモーター株価情報: https://finance.yahoo.co.jp/quote/6592.T
– Yahoo!ファイナンス マブチモーター株主優待情報: https://finance.yahoo.co.jp/quote/6592.T/incentive
– 株探 マブチモーター株主優待情報: https://s.kabutan.jp/stocks/6592/yutai/
– kabuyutai.com マブチモーター株主優待紹介: https://www.kabuyutai.com/kobetu/mabuchi-motor.html
– 本記事の情報は2026年7月12日時点のものです。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
注意: 本記事の優待内容・株数・権利月は、マブチモーター公式IR・Yahoo!ファイナンス・株探・kabuyutai.comの各情報を個別に確認して作成しています。公式IRページで必ず最新情報をご確認ください。
数値・優待内容の最新情報は必ず公式IRページでご確認ください。
投資判断は読者自身の責任で行ってください。本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。

