【アース製薬(4985)】株主優待のクロス取引コスト試算【2026年12月権利】
この記事の結論
- アース製薬(4985)の株主優待は、公式IR「株主優待制度の一部変更(拡充)に関するお知らせ」によれば、2026年6月30日基準日以降、100株以上を継続1年以上保有した株主に自社グループ製品詰め合わせ2,500円相当(継続1年以上3年未満)/3,500円相当(継続3年以上、または1,000株以上かつ継続1年以上)が贈呈される仕組みに統一される予定です(12月31日基準日も対象に含まれます)。ただし同じ公式IRページ内の「基準日を12月31日とするもの」の説明表はこの継続保有条件を反映しておらず、単一ティア(100株以上一律2,000円相当)のままになっており、記載に一部整合しない箇所があります(詳細は後述)
- 権利確定月は6月末・12月末の年2回。公式の変更告知に従えば、各基準日に同一株主番号で「連続して記載」された実績(継続1年以上=連続3回以上記載)が優待の条件とされており、今回12月に初めてクロスするだけでは優待を受け取れない可能性がありますが、上記の記載の不整合により断定はできません(後述)
- クロス取引コストの目安(100株): 貸株料(かしかぶりょう。一般信用取引で株を借りる際にかかる利用料)約158円+配当落調整金の実質コスト 約2,641円=合計 約2,800円(一般信用・SBI証券短期3日想定、2026-08-21終値ベース)
- 必要資金(100株): 約639,600円(現物買い492,000円+信用売り保証金30%・2026年8月21日終値4,920円ベース)
- 継続保有条件: あり(1年以上3年未満で3回連続記載、3年以上で7回連続記載が必要)
アース製薬の株主優待内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 4985 |
| 権利確定月 | 6月末・12月末(年2回) |
| 最低必要株数 | 100株 |
| 優待内容 | 自社グループ製品詰め合わせ(継続保有期間により金額相当が変動) |
| 優待金額(最低単元) | 2,500円相当(継続1年以上3年未満の場合) |
| 必要資金(100株) | 約639,600円(現物買い492,000円+信用売り保証金30%) |
保有株数・継続保有期間別の優待内容(全ティア)
| 保有株数 | 継続保有期間 | 優待内容 | 金額相当 | 適用基準日(公式変更告知による) |
|---|---|---|---|---|
| 100株以上1,000株未満 | 1年以上3年未満 | 自社グループ製品詰め合わせ | 2,500円相当 | 6月30日・12月31日(2026年6月30日基準日以降) |
| 100株以上1,000株未満 | 3年以上 | 自社グループ製品詰め合わせ | 3,500円相当 | 同上 |
| 1,000株以上 | 1年以上 | 自社グループ製品詰め合わせ | 3,500円相当 | 同上 |
※上記は、アース製薬公式IR「配当金・株主優待」ページ内の「株主優待制度の一部変更(拡充)に関するお知らせ」に掲載された【変更後】表(実施時期: 2026年6月30日を基準日とする株主優待より変更)に基づく内容です。なお6月末基準日のみ、自社ブランド「BARTH」の公式サイトで使える株主様限定クーポンも別途進呈されます(12月末基準日は対象外)。
⚠️ 公式ページ内の記載不整合について: 同じ公式IRページの「基準日を12月31日とするもの」という基本説明の表では、上記の継続保有ティアが反映されておらず、「100株以上→2,000円相当」の単一ティア(保有期間の条件記載なし)のまま掲載されています(2026年8月23日確認時点)。上記の【変更後】表とこの基本説明表のどちらが実際の贈呈基準として優先されるかは、公式ページの記載だけでは判断できませんでした。本記事では実施時期が明記されている【変更後】表の内容を基本としていますが、実際に12月31日基準日でどちらの基準が適用されるかは、必ず基準日が近づいた時点で公式IR(アース製薬)に直接ご確認ください。
継続保有の判定方法(【変更後】表に基づく・要確認): 「継続1年以上」は実際の暦年数ではなく、6月30日・12月31日の基準日に「連続して3回以上」株主名簿に記載されることで判定されます。「継続3年以上」は「連続して7回以上」の記載が条件です。【変更後】表には継続1年未満(初めての記載)に対応するティアが明記されていないため、初めて100株をクロスしただけの株主は、この時点では継続保有の実績がないことから、今回の12月権利で優待を受け取れない可能性があります。ただし、上記のとおり公式ページの基本説明表は継続保有条件のない単一ティアを示しており、この点を明確に裏付ける記載を公式サイト上で確認することはできませんでした。連続3回目の基準日は初回記載から1年後(例: 12月末→翌年6月末→翌年12月末)にあたるため、少なくとも1年にわたって株主名簿上の記載を絶やさないことが、継続保有ティアを狙う上での前提になると考えられます。
なお公式IRでは、この基準日ごとの記載条件とは別に「基準日の3営業日前に当社株式を1単元(100株)以上保有していること」が株主優待を受けるための条件として明記されています(出典: アース製薬公式IR「配当金・株主優待」ページ)。本記事の権利付最終日(後述の権利日スケジュール参照)は、この3営業日前の条件と整合する日付です。
アース製薬は「アース渦巻香」「ごきぶりホイホイ」「モンダミン」「BARTH」などの家庭用品・医薬品ブランドを幅広く展開する国内大手の日用品メーカーです。配当は増配基調が続いており、2026年12月期の年間配当予想は1株130円(前期2025年12月期実績125円、出典: Yahoo!ファイナンス配当ページ2026年8月確認)と、優待とあわせて株主還元に積極的な銘柄です。一方で配当利回りが相対的に高いため、後述のとおり一般信用クロスでは配当落調整金の実質コストが優待金額に対して無視できない水準になる点に注意が必要です。
クロス取引コスト試算
証券会社・株価・保有日数を入力すると貸株料・手数料の合計コストを自動計算できます。権利付最終日・権利落ち日は権利確定日から自動で表示されます。
クロス取引コスト計算
| 証券会社 | |
|---|---|
| 株価(円) | |
| 株数 | |
| 保有日数(日) | |
| 実質コスト | --- |
クロス取引用の証券口座を開設する
一般信用売建(つなぎ売り)に対応した口座が必要です。口座開設・年会費は無料です。
- SBI証券 (短期・無期限対応・在庫最大級・ゼロ革命(手数料0円)) →
- 楽天証券 (短期・無期限対応・ゼロコース(手数料0円)) →
- 松井証券 (無期限一般信用・1日50万円以下手数料0円) →
- マネックス証券 (短期(15営業日)・無期限対応・貸株料1.10%) →
- 三菱UFJ eスマート証券 (無期限一般信用・貸株料1.10%・現物手数料0円) →
- GMOクリック証券 (短期3.85%・無期限0.80%・手数料0円) →
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※株価は2026年8月21日の終値(4,920円)を使用しています(2026年8月23日は休場日のため直近営業日の終値を採用)。株価変動により実際のコストは異なります。
手計算での目安(100株・一般信用・保有3日想定)
- 貸株料(SBI証券短期3.90%・3日): 4,920円×100株×3.90%÷365×3日 = 約158円
- アース製薬の2026年12月期会社予想配当は1株130円(12月末基準の期末配当)。100株分では税引前配当相当額13,000円が信用売り側の配当落調整金として満額発生します
- 一方、現物側が実際に受け取る配当は源泉徴収後の約10,359円(13,000円×(1−20.315%))にとどまるため、差額の約2,641円が実質コストとして発生します(配当落調整金は源泉徴収なしで満額を負担する一方、現物側の受取は源泉徴収後の金額になるため)
- 合計コスト目安: 貸株料約158円+配当落調整金の実質コスト約2,641円=約2,800円
- この実質コストは、継続保有の最低ティア(2,500円相当)と比べるとやや上回る水準です。1回のクロスだけで単純に得をする仕組みではなく、将来の3,500円相当ティアに向けて継続記載の実績を積み上げる位置づけとして捉えるのが実態に近いといえます
各証券会社の一般信用在庫・貸株料の傾向
- SBI証券: 在庫数が最多。夜間(19:00頃の在庫補充後)が狙い目。一般信用貸株料(短期)年率3.9%
- 楽天証券: 在庫補充タイミングが日中。一般信用貸株料(短期)年率3.9%
- 三菱UFJ eスマート証券: 長期信用が使える選択肢。1ヶ月以上前から仕込み可能、貸株料年率1.10%
- SMBC日興証券: ダイレクトコース。一般信用貸株料(売方)年率1.90%・制度信用1.15%
- 松井証券: ボックスレート。一般信用貸株料(無期限)年率2.00%・制度信用1.15%
- GMOクリック証券: サブ口座として在庫を補完する使い方が一般的。一般信用貸株料 短期3.85%・無期限0.80%
※在庫状況は日々変動します。直近の在庫情報は各証券会社のサイトでご確認ください。
端株戦略で継続保有コストを最小化する方法
アース製薬の優待は「連続して3回以上(1年以上3年未満ティア)」「連続して7回以上(3年以上ティア)」の基準日記載が条件です。純粋なクロス取引(毎回現渡し〈げんわたし。買った現物株をそのまま信用売りの返済に充てる決済方法〉で0株に戻す)を繰り返すだけでは、基準日には株主として記載されていても、0株の期間を挟むたびに株主番号が新規発番される可能性があり、「連続記載」として認識されない懸念があります。
そこで活用できるのが、端株(1株)の常時保有による株主番号の維持です。
- SBI証券(S株)・楽天証券(かぶミニ)・マネックス証券(ワン株)などで1株を現物購入し、そのまま持ち続ける(株主番号を維持する目的)
- 各基準日(6月末・12月末)の権利付最終日に100株をクロス(現物買い100株+一般信用売り100株)→ 端株1株とあわせて合計101株を保有し、優待の最低必要株数条件(100株以上)を満たす
- 権利落ち後に現渡しで100株を決済。端株1株はそのまま持ち続ける
- これを基準日ごとに繰り返すことで、株主番号を途切れさせずに「連続記載」の実績を積み上げていく
この方法であれば、拘束される資金は端株1株分の株価(約4,920円)のみで済み、100株クロス分の資金は各基準日の数日間だけ必要になります。継続保有の判定条件が「株数不問・株主番号の連続記載」であれば有効な方法ですが、証券会社・株式事務代行会社によって端株の記載の扱いが異なる場合があるため、実施前に必ず株式事務代行会社(アース製薬のIR情報ページに記載)への確認をおすすめします。
また、継続カウント中に証券口座を変更すると株主番号がリセットされる可能性があるため、端株を保有する口座は固定してください。クロス(信用売り)側の口座はどの証券会社でも構いません。
端株(1株)を購入できる証券口座
継続保有で株主番号を維持するために、本人名義で端株を購入できる口座が必要です。
- SBI証券(S株) (売買手数料0円・スプレッドなし・本人名義・NISA対応) →
- マネックス証券(ワン株) (買付無料・売却0.55%・本人名義・NISA対応) →
- 楽天証券(かぶミニ®) (寄付取引は売買無料・本人名義・NISA対応) →
- moomoo証券(ひと株) (買付無料・本人名義・NISA対応) →
- 三菱UFJ eスマート証券(プチ株) (売買0.55%(最低55円)・本人名義・NISA対応) →
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権利日スケジュール
2026年12月は大納会が12月30日(水)のため、通常の月末とは受渡日の計算が異なります。
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 2026年12月28日(月) | 権利付最終日 |
| 2026年12月29日(火) | 権利落ち日 |
| 2026年12月31日(木) | 権利確定日(基準日) |
権利付最終日までに一般信用売りの現物買い・信用売りを同時に発注し、権利落ち日以降に現渡しで決済するのが基本の流れです。年末は大納会のスケジュールにより、権利付最終日が基準日(12月31日)を通常の月末営業日とみなした場合より1営業日早まる点に注意してください。
注意点・リスク
- 逆日歩(ぎゃくひぶ): 制度信用取引でのみ発生する品貸料です。一般信用取引は証券会社との相対取引のため逆日歩は発生しません。必ず一般信用で取引していることを確認してください
- 配当落調整金: 上記のとおり、一般信用の配当落調整金は源泉徴収なしで満額(100株で13,000円)を負担する一方、現物側の受取配当は源泉徴収後の約10,359円にとどまるため、差額の約2,641円が実質コストとして発生します。特定口座(源泉徴収あり・配当受入あり)であれば通常は証券会社が年末に自動的に他の譲渡益・配当所得と損益通算し、還付が生じる場合は翌年初に自動入金されます。損失が通算しきれず残る場合は確定申告で最大3年間繰り越せます
- 継続保有記録の断絶リスク: 純粋なクロスの繰り返しだけでは継続記載の実績が積み上がらない可能性があります。端株戦略の実施可否は必ず株式事務代行会社に確認してください
- 約定不成立: 寄り付き前注文でも、買い・売りの片方しか成立しないケースがあります
- NISA口座は使えない: クロス取引(信用取引)はNISA非対応です。特定口座または一般口座で実行してください
- 在庫切れ: 権利付最終日が近づくほど一般信用の売り在庫が減少する傾向があります。早めの在庫確保を心がけてください
まとめ
- アース製薬の12月優待(100株、継続1年以上3年未満)は公式の変更告知によれば2,500円相当の自社グループ製品詰め合わせですが、初めてのクロスでは受け取れない可能性があり、継続記載の実績が前提になると考えられます。ただし公式ページ内に記載の不整合があるため、実施前に必ず公式IRでご確認ください
- 単発のクロスコストは貸株料・配当落調整金をあわせて約2,800円と、最低ティアの優待額と近い水準のため、単発の値ざや狙いよりも継続保有記録の維持を目的とした取り組みに向いています
- 端株1株の常時保有と基準日ごとの100株クロスを組み合わせることで、資金拘束を抑えながら継続記載の実績を積み上げられる可能性がありますが、有効かどうかは株式事務代行会社への確認が前提です
- 興味があれば、まずはSBI証券・楽天証券の一般信用在庫状況をチェックしてみてください
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【出典・参考】
– アース製薬公式IR「配当金・株主優待」ページ: https://corp.earth.jp/jp/ir/stock/benefit/index.html
– 株主優待制度詳細(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4985.T/incentive
– 配当情報(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/4985.T/dividend
– 本記事の情報は2026年8月23日時点のものです。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
数値・優待内容の最新情報は必ず公式IRページでご確認ください。
投資判断は読者自身の責任で行ってください。本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。

