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一般信用と制度信用の違い|クロス取引で使うべきはどっち?

一般信用と制度信用の違い|クロス取引で使うべきはどっち?

目次

この記事で分かること

  • 一般信用取引と制度信用取引のそれぞれの仕組み
  • クロス取引において一般信用が選ばれる理由
  • 制度信用を使うと発生する「逆日歩」リスク
  • 証券会社ごとの一般信用在庫の特徴

信用取引には「一般信用」と「制度信用」の2種類があります。クロス取引(つなぎ売り)を行う際、どちらを使うかによってコストとリスクが大きく変わります。

結論を先に述べると、クロス取引では基本的に一般信用を使うことが推奨されます。理由は逆日歩(ぎゃくひぶ)リスクを排除できるからです。この記事では2つの違いを整理した上で、クロス取引における選択の考え方を解説します。

一般信用取引とは

一般信用取引とは、証券会社と投資家の間で個別に条件を決めた信用取引です。取引所の規則ではなく、各証券会社が独自に設定した貸株料率・返済期限・在庫数などの条件で取引が行われます。

一般信用の主な特徴

  • 逆日歩が発生しない(証券会社と直接取引のため、取引所の品貸し制度を経由しない)
  • 返済期限の種類がある:「短期(15日物など)」と「長期(無期限に近い形)」を設ける証券会社が多い
  • 在庫に上限がある:各証券会社が保有する株数に限りがあるため、人気銘柄は早期に在庫切れになることがある
  • 貸株料率は制度信用より高め:証券会社の設定によるが、一般的に年率1.0〜3.9%程度の範囲が多い

制度信用取引とは

制度信用取引とは、金融商品取引所が定めたルールに基づいて行う信用取引です。取引所が定める制度の中で行われるため、貸株料率や返済期限が統一されています。

制度信用の主な特徴

  • 逆日歩が発生するリスクがある(後述)
  • 返済期限が原則6ヶ月:制度上、建玉から6ヶ月以内に返済が必要
  • 在庫制限が比較的少ない:取引所を通じた品貸し制度があるため、一般信用より多くの株数を売り建てできることが多い
  • 貸株料率が低め:一般的に一般信用より貸株料が安い

一般信用と制度信用の比較表

項目 一般信用 制度信用
逆日歩の有無 なし(原則) あり(相場次第)
返済期限 短期(15日物等)または長期 原則6ヶ月以内
在庫数 証券会社の在庫数に依存 品貸し制度で比較的多い
貸株料率 高め(年率1〜4%程度) 低め(年率1.15%前後が多い)
逆日歩リスク ほぼなし あり(上限なし)
銘柄の対応 一般信用対象銘柄に限る 制度信用対象銘柄に限る

クロス取引で一般信用が選ばれる理由

クロス取引の目的は「優待を低コスト・低リスクで取得すること」です。この観点では、制度信用の最大のデメリットである逆日歩リスクが致命的な問題になります。

逆日歩とは、制度信用の売り建て株数が買い建て株数を超えた(売り方が多い)場合に、売り方から買い方へ支払われる品貸し料のことです。人気優待銘柄の権利付最終日前後には売り方が集中するため、逆日歩が跳ね上がることがあります。

逆日歩の金額は事前に予測できず、過去には優待金額を大幅に上回る逆日歩が発生したケースもあります。詳細は逆日歩とは?発生条件と回避方法で解説しています。

一般信用では、証券会社と直接取引を行うため、取引所の品貸し制度を経由せず、原則として逆日歩は発生しません。

一般信用のデメリットも理解しておく

  • 在庫が枯渇すると売り建てできない(人気銘柄は早期に売り切れる)
  • 貸株料率が制度信用より高い傾向がある
  • 証券会社によって一般信用の対象銘柄が異なる

一般信用在庫の証券会社別の特徴

在庫数や貸株料率は証券会社によって大きく異なります。クロス取引では複数の証券会社を使い分けることが一般的です。

SBI証券

業界最大規模の在庫を誇るとされています。短期(15日物)と長期(無期限)の2種類があります。在庫の補充タイミングが夕方以降に行われることが多く、人気銘柄はその時間帯に争奪戦になることがあります。

詳しくはSBI証券でクロス取引する方法|一般信用の使い方をご覧ください。

楽天証券

SBI証券と並んで利用者が多い証券会社です。在庫補充のタイミングや貸株料率はSBIと異なるため、一方で在庫切れでも他方で取れるケースがあります。

詳しくは楽天証券でクロス取引する方法|一般信用の使い方をご覧ください。

auカブコム証券

「長期信用」と呼ばれる最長1〜2ヶ月以上前から仕込める一般信用を提供しています。貸株料率は高めになりますが、人気銘柄を早期に確保できる点で需要があります。

制度信用を使う場面はあるか

一般信用在庫が完全に枯渇しており、かつ逆日歩のリスクを織り込んだ上でコストが優待金額を下回ると判断できる場合に限り、制度信用での売り建てを検討する投資家もいます。

ただし、逆日歩は事前に予測できないため、初心者の方には制度信用でのクロス取引を積極的に推奨することはありません。まずは一般信用に絞って取り組むことを検討してみてください。

注意点・リスク

一般信用でも稀に予期せぬコストが発生することがある

証券会社の内部規定や市場環境の変化により、一般信用でも予期せぬコストが発生するケースがゼロではありません。事前の条件確認は欠かせません。

在庫切れで仕込めないリスク

一般信用在庫が枯渇した場合、目当ての銘柄のクロス取引ができません。権利付最終日直前まで待つと在庫がなくなる可能性が高いため、早めの確認と行動が有効です。

対象外銘柄

一般信用の対象銘柄は証券会社によって異なります。クロス取引を行いたい銘柄が対象銘柄リストに含まれているか、事前に確認しましょう。

複数口座の管理

複数の証券会社を使い分ける場合、それぞれのログイン情報・在庫状況・決済タイミングを管理する必要があります。ミスが起きやすくなる点に注意してください。

よくある質問

Q. 制度信用でクロス取引すると必ず損しますか?

A. 必ず損するわけではありませんが、逆日歩次第では優待金額を大幅に超えるコストが発生することがあります。リスクを十分に理解した上で判断する必要があります。

Q. 一般信用の在庫がなくなったら諦めるしかないですか?

A. 複数の証券会社で口座を開設しておくことで、1社で在庫切れでも他社で取れる可能性があります。auカブコム証券の長期信用を早期に利用するという選択肢もあります。

Q. 一般信用と制度信用を使い分けることはできますか?

A. できます。同一証券会社で両方の口座があれば、銘柄ごとに選択できます。ただし、クロス取引を目的とする場合は一般信用を優先することが基本です。

まとめ

  • 一般信用は逆日歩が発生しない点でクロス取引に適しています
  • 制度信用は貸株料率が低い反面、逆日歩リスクがあり、クロス取引では原則として非推奨です
  • 一般信用在庫は有限で、人気銘柄は早期に枯渇するため複数証券会社の活用が有効です
  • 証券会社ごとに在庫数・貸株料率が異なるため、比較した上での口座開設をおすすめします

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【出典・参考】
– 本記事の情報は2026年5月19日時点のものです。各証券会社の貸株料率・対象銘柄は随時変更されます。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。


本記事は株主優待制度およびクロス取引(つなぎ売り)に関する情報提供を目的としています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記事内の数値・制度内容は執筆時点のものであり、最新情報は各社公式IR等でご確認ください。

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